桂麻剤 漢方薬解説

桂枝加芍薬湯の解説

投稿日:2019年9月22日 更新日:

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 

この処方は桂枝湯の芍薬を倍量にした「建中湯類」の基本となる薬方で、芍薬による内臓平滑筋の緊張緩和や鎮痛作用と、桂枝と生姜による健胃作用が主な薬効となります。芍薬の筋弛緩作用は甘草によって増強されます。

腹直筋は緊張(腹直筋の攣急)していることが多いですが、一般的に腹壁の弾力は乏しく、皮が薄いという感じがあります。

基本的には桂枝湯と同じ生薬で構成されていることから寒虚証向きの薬方ですが、太陽病に用いられる桂枝湯とは異なり桂枝加芍薬湯は太陰病に適応されます。







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