桂麻剤 漢方薬解説

五積散の解説

投稿日:2020年2月8日 更新日:

桂枝 乾姜 生姜 麻黄 白芷 当帰 川芎 白芍 大棗 甘草 蒼朮 茯苓 半夏 陳皮 厚朴 枳実 桔梗

五積とは5つの病毒(気・血・痰・寒・食)の鬱積を意味しており、五積散とはそれらの状態を治すための処方となっています。

蒼朮・陳皮・厚朴・甘草(平胃散)で飲食の停滞を改善します。

茯苓・半夏・陳皮・甘草(二陳湯)や枳実で胃内停水を改善します。

半夏・陳皮・桔梗で痰飲(水滞)を除いていきます。

当帰・芍薬・川芎(四物湯)で血液循環を高め血を補います。

桂枝・乾姜・麻黄・白芷・桔梗は寒冷を温め風邪を発散し、血液循環を高めるなどの効果があります。

処方としては温性・燥性・補性で、寒・湿による気・血・水を巡らすことで、五積の鬱積によって生じる諸症状を改善していきます。

前の記事へ







-桂麻剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

大黄甘草湯の解説

大黄 甘草  大黄と甘草の二味から構成された大黄剤の基本処方です。大黄は代表的な寒性薬で、これに処方全体の作用を緩和する目的で甘草が加えられており、丸剤(大甘丸)としても用いられることがあります。 大 …

桂枝湯の解説

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 この処方は傷寒論の最初に記載されている最も基本的な薬方で、加減法も多くあります。 表(体表面)が風邪によって侵されるときに生じる症状で悪寒と発熱が同時に起こり、頭痛・肩こ …

柴胡桂枝乾姜湯の解説

柴胡 黄芩 乾姜 甘草 桂枝  牡蛎  括楼根  柴胡・黄芩からなる柴胡剤の一種で、牡蛎が含まれているのが特徴です。 柴胡加竜骨牡蠣湯を使いたい人で、少し虚証に傾いているような場合に用いていきます。括 …

三黄瀉心湯の解説

大黄 黄芩 黄連 瀉心湯とは、心下部のつかえ(心下痞鞕)を改善することからつけられた名称で、黄連と黄芩が胃腸の炎症を去り心下部のつかえをとっていきます。 この処方は黄連・黄芩からなる芩連剤と大黄剤の両 …

十味敗毒湯の解説

柴胡 茯苓 甘草 生姜 桔梗 荊芥 防風 独活 川芎 撲樕(桜皮) 万病回春に記載されている荊防敗毒散をベースとして、前胡、薄荷、連翹、枳実、金銀花を除いて桜皮を加えたものが華岡青洲の使用していた十味 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー