大黄剤 漢方薬解説

大黄剤の解説・まとめ

投稿日:2020年2月14日 更新日:

大黄剤は大黄を主構成薬とする処方群で、大黄の清熱作用により胃腸の内熱を除くとともに、強い瀉下作用により腸内の老廃物を排泄して、消化管の働きを正常化させていきます。

大黄剤は基本的に胃熱証の適応であり、便が硬く、食欲や体力のある人の便秘に有効です。したがって、虚証や腹力の低下した便秘に用いると、腹痛や下痢を起こすので注意が必要となります。

基本的に大黄剤は漫然と使用するべきではなく、便通が改善したら連用を避ける方がよいとされています。

大黄

大黄は、通便瀉熱といって、腸の熱を冷まし瀉下することによる排便作用があります。大黄の瀉下作用は、主に腸に作用します。

清熱燥湿は、熱を冷まし、水毒を改善する作用です。 大黄は瀉下し、便の中に余分な水を排出します。

活血通経とは、瘀血を改善し、排便させる作用のことです。







-大黄剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

乙字湯の解説

大黄 甘草 柴胡 黄芩 当帰 升麻 柴胡と黄芩は大黄と同様に清熱作用が強く、下腹部の炎症を緩和していきます。升麻は内臓のゆるみ(下垂)を引き上げる作用があり、痔核や脱肛を治します。また、柴胡は当帰と組 …

麻杏薏甘湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 薏苡仁 麻黄湯の桂枝の代わりに薏苡仁が入った処方です。薏苡仁は単独でもエキス剤が治療に用いられているため、医療人であれば一度は聞いたことのあるくらい有名な生薬ですね。薏苡仁・麻黄の組 …

潤腸湯の解説

大黄 枳実 厚朴 麻子仁 杏仁 桃仁 当帰 地黄 黄芩 甘草 この処方は「腸を潤す」という名の通り、体液の枯燥により、腸内に熱をもち、腸が乾いて潤いを失うことに起因した便秘に適応します。一般的には緩和 …

五虎湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 石膏 桑白皮 この処方は麻杏甘石湯に桑白皮を加えたものです。桑白皮は利水消種の効能により気管支粘膜の浮腫を除き、気道の通過をよくする働きがあるため、麻杏甘石湯よりも気管支喘息に対する …

小青竜湯の解説

麻黄 桂枝 甘草 芍薬 半夏 乾姜 細辛 五味子 麻黄湯をより水滞の多い寒証向きにつくりかえた処方であり、温性を高めるために生姜ではなく乾姜が加えられています。乾姜・細辛は温性が強い生薬でもあるので、 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー