大黄剤 漢方薬解説

三黄瀉心湯の解説

投稿日:2020年2月18日 更新日:

大黄 黄芩 黄連

瀉心湯とは、心下部のつかえ(心下痞鞕)を改善することからつけられた名称で、黄連と黄芩が胃腸の炎症を去り心下部のつかえをとっていきます。

この処方は黄連・黄芩からなる芩連剤と大黄剤の両方の特性をもっており、補薬を含んでいないので虚証の人には適応していません。大黄が処方されていることから、瀉心湯類の中で最も実証向きの処方である。

のぼせて顔面が紅潮し、イライラして落ち着かないなどの精神神経症状があり、便秘がある人に用いられます。高血圧や鼻血、更年期障害、口内炎などの改善にも効果があります。

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