桂枝 甘草 麻黄 杏仁 芍薬 大棗 生姜
この処方は 麻黄湯と桂枝湯を合方したものです。各半湯と名がついていますが、実際には半分ずつ合方したものではなく1/3ずつ合わせたものです。
麻黄と桂枝の相乗作用による強い発汗が考えられますが、上記理由のため麻黄湯などに比べて麻黄の処方量は少ないため、自汗傾向がある症状に適応します。見方を変えると、桂枝湯の処方に麻黄の鎮咳作用と杏仁の鎮咳去痰作用が加味された処方とも考えられます。
桂枝湯の応用として、熱感や悪寒がある皮膚の痒みに使うことができます。また、汗が出ないで痒いものにも適応でき、寒冷蕁麻疹にもよく効きます。
麻黄湯や葛根湯 、桂枝湯の鑑別方法として自汗の有り無しがありますね。ここを間違えてしまうと脱汗に陥ってしまうこともあるので、この鑑別は必ず行いましょう。自汗の判断材料の一つとして私がよく使う方法を紹介しておきます。
まず乾いたティッシュペーパーを1枚テーブルに広げ、その上に手のひらを置いてもらいましょう。そのままゆっくり手を上にあげてもらい、ティッシュペーパーが手にくっついていれば自汗あり、くっついてこなければ自汗なしと判断するのが手軽でいいと思います。時間もかからないですし、相手に触らなくてもできるので、太陽病の相談を受けた時にはいつもこの方法を使っています。