桂麻剤 漢方薬解説

桂枝湯の解説

投稿日:2019年9月20日 更新日:

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜

この処方は傷寒論の最初に記載されている最も基本的な薬方で、加減法も多くあります。

表(体表面)が風邪によって侵されるときに生じる症状で悪寒と発熱が同時に起こり、頭痛・肩こり・項背部のこわばりなど表証の症状がある場合に適しています。

悪寒・悪風・発熱・頭痛などの症状は風邪や寒邪により表のエネルギーの発散が妨害されるためで、主薬である桂枝の温める作用により、皮膚表面でのエネルギーの発散を促すことで改善します。生姜・大棗・甘草は処方全体の作用を緩和し、副作用を軽減すると同時に脾胃を補います。

桂枝・生姜・大棗はすべて温性であることから、基本的には体を温めて軽く発汗させることで悪寒や頭痛を治します。全ての生薬が補性薬で構成されていることから、寒虚証者向きの処方であるといえます。

前の記事へ







-桂麻剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


  1. […] ありますが、必ずしもそうでありません。たとえインフルエンザであっても、証によっては桂枝湯で十分な場合もあります。ましてや、「インフルエンザの予防のために麻黄湯を事前に服 […]

  2. […] 桂枝湯に葛根と麻黄を加えた薬方で、今では知らない人がほとんどいないほどに有名な漢方薬です。 […]

comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

薏苡仁湯の解説

麻黄 桂枝 甘草 薏苡仁 当帰 芍薬 蒼朮 麻黄湯に蒼朮を加えた麻黄加朮湯(体が痛み、尿は少なく、浮腫のある人を目標として使われる)から杏仁を除き、当帰・芍薬・薏苡仁を加えた処方です。 辛温発表剤であ …

桂麻各半湯の解説

桂枝 甘草 麻黄 杏仁 芍薬 大棗 生姜 この処方は 麻黄湯と桂枝湯を合方したものです。各半湯と名がついていますが、実際には半分ずつ合方したものではなく1/3ずつ合わせたものです。 麻黄と桂枝の相乗作 …

当帰建中湯の解説

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 当帰(膠飴) 小建中湯に当帰を加えた薬方(本来は膠飴を入れない)で、血虚の傾向のあるものに適しています。 当帰は温性補血薬の代表的な生薬であり、血を補い瘀血を去り血行を良 …

五積散の解説

桂枝 乾姜 生姜 麻黄 白芷 当帰 川芎 白芍 大棗 甘草 蒼朮 茯苓 半夏 陳皮 厚朴 枳実 桔梗 五積とは5つの病毒(気・血・痰・寒・食)の鬱積を意味しており、五積散とはそれらの状態を治すための処 …

大黄甘草湯の解説

大黄 甘草  大黄と甘草の二味から構成された大黄剤の基本処方です。大黄は代表的な寒性薬で、これに処方全体の作用を緩和する目的で甘草が加えられており、丸剤(大甘丸)としても用いられることがあります。 大 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー