桂麻剤 漢方薬解説

薏苡仁湯の解説

投稿日:2020年2月6日 更新日:

麻黄 桂枝 甘草 薏苡仁 当帰 芍薬 蒼朮

麻黄湯に蒼朮を加えた麻黄加朮湯(体が痛み、尿は少なく、浮腫のある人を目標として使われる)から杏仁を除き、当帰・芍薬・薏苡仁を加えた処方です。

辛温発表剤である麻黄湯から潤性薬である杏仁を除き、湿を去る蒼朮と薏苡仁を加えることで、麻黄と協力して強い利尿作用を示していきます。

麻黄・桂枝・当帰は血行を促進し鬱血や冷えを改善します。さらに芍薬・甘草・当帰は鎮痛作用として働きます。

したがって、関節や筋肉に熱感と水腫(水滞)があり、軽度の血虚をともなう疼痛のある、やや慢性化した症状に適応しています。

前の記事へ







-桂麻剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

桂麻剤の解説・まとめ

桂麻剤とは 桂麻剤は、桂枝湯を基本に桂枝(桂皮)と麻黄を配合する薬方群の事で、なかでも麻黄を配合する薬方群については麻黄剤と呼ばれています。風邪症候群や急性熱性疾患の初期の症状(太陽病の病態)である悪 …

大柴胡湯の解説

柴胡 黄芩 半夏 生姜 大棗 枳実 芍薬 大黄 この薬方は小柴胡湯の人参と甘草の代わりに、枳実、芍薬、大黄を加えたもので、特に体力が充実して症状の激しくあらわれる人に用います。 適応としては胸脇苦満を …

麻杏甘石湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 石膏 この処方は麻黄湯の桂枝の代わりに石膏が入ったもので、麻黄湯と同じく麻黄と杏仁が合わさっており、咳嗽や喘鳴があるものに奏効します。 しかしながら、麻黄・石膏の組み合わせは麻黄・桂 …

小青竜湯の解説

麻黄 桂枝 甘草 芍薬 半夏 乾姜 細辛 五味子 麻黄湯をより水滞の多い寒証向きにつくりかえた処方であり、温性を高めるために生姜ではなく乾姜が加えられています。乾姜・細辛は温性が強い生薬でもあるので、 …

調胃承気湯の解説

大黄 甘草 芒硝 大黄甘草湯に芒硝を加えたもので、緩下剤の基本処方となっています。 大黄と芒硝はいずれも苦寒薬の代表であり瀉下作用が強いため、甘草はそれらによる胃腸障害などを緩和する目的で加えられてい …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー