桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 膠飴 黄耆
小建中湯に黄耆を加えた薬方で、小建中湯の証よりも体力が衰えて、盗汗や自汗があり、腹痛の激しいものや発疹やびらんなどの皮膚症状が顕著なものに適応します。
黄耆は体表の湿をとりのぞき(止汗)、皮膚の血行を高めることで栄養を補い、化膿を止める働きがある強壮薬です。
そのため黄耆建中湯は、小建中湯の適応で盗汗や皮膚症状があるような虚弱児に最適な薬方となっています。
臨床的にも黄耆建中湯は小児のアトピー性皮膚炎によく用いられており、私自身も乳幼児に対して使用したところ、大変効果的であった経験があります。
ただ、私がアトピー治療で使用する場合には、単に黄耆建中湯だけでお渡しすることよりも薏苡仁を加味して服用していただくことの方が多いですね。薏苡仁には健脾利湿(けんひりしつ)という作用があり、湿を除いて消化器を強くする作用がありますので、黄耆建中湯とは相性がいいですよ。