調剤薬局で働いていると、たまに見かけるこの事例。医療人以外にはあまり知られてないと思いますが、薬によっては規格(含有量)や剤形(錠剤や散財や液剤のこと)で適応症が違うものがあります。
例えば「シングレア」という薬。気管支喘息で飲んでいる方が多いと思いますが、この薬にはアレルギー性鼻炎にも効果がありますよと立証されています。そして、アレルギー性鼻炎には5mg~10mgの間で調整していいことになっています。しかし、喘息に対しては10mgしか使うことができないんですね。なんで?効くでしょ、同じ薬なんだから。という声が聞こえてくるのはわかりますし、実際私も効くと思います。ただ、保険診療を行う上では話が別なんです。ルール上ダメなんですよ。じゃあルールを破るとどうなるの?ペナルティがあるの?ということになりますが…それがきっちりとあるんですよ(-_-;)
そういえば「シングレアチュアブル」という薬もあります。こちらは5mgのみしか販売されていませんが、今度は小児の気管支喘息にしか適応がないんですね(;’∀’) 要するにアレルギー性鼻炎には保険上使えません。もうわけわからないですよね。ちなみに製剤学上この2つのシングレアは別物ということになってます。違う薬だから同じ5mgでも適応が違うんですね。
ちなみに「チュアブル」とは「かみ砕いて服用」という意味です。これ知らない薬剤師もいるので、本当にビックリします。 その人はどうもOD錠とチュアブル錠がごちゃごちゃになってるみたいでした。 あんた薬のプロでしょ…そのくらいちゃんと知っとけよ!って内心思いましたが、やさしく丁寧に伝えておきました。(OD錠についてはまた別の機会に話しますね)
さて、保険のルールを守らないとどうなるのか…。一般の人は知らないところだと思いますが、実はその分の保険金が支払われません。つまり、結果として病院か薬局がその人の薬代を払ってあげてることになります。きっと保険者からすれば「あんたたちそんなことも知らないで保険診療や保険調剤をやってるの?」みたいな感じなのでしょう。えぇすいませんね、人間だから間違うことだってありますわ。いつもチェックありがとうございます。という感じで私はいつも思っています。
保険を使った医療の場合、ルールに沿った使い方をしないとこのように減点をされてしまいます。それを洗いざらい御丁寧に調べてくださるのが個別指導なんですよね~。はぁ、気が思いやられますわ…。