桂麻剤 漢方薬解説

桂枝加芍薬湯の解説

投稿日:2019年9月22日 更新日:

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 

この処方は桂枝湯の芍薬を倍量にした「建中湯類」の基本となる薬方で、芍薬による内臓平滑筋の緊張緩和や鎮痛作用と、桂枝と生姜による健胃作用が主な薬効となります。芍薬の筋弛緩作用は甘草によって増強されます。

腹直筋は緊張(腹直筋の攣急)していることが多いですが、一般的に腹壁の弾力は乏しく、皮が薄いという感じがあります。

基本的には桂枝湯と同じ生薬で構成されていることから寒虚証向きの薬方ですが、太陽病に用いられる桂枝湯とは異なり桂枝加芍薬湯は太陰病に適応されます。







-桂麻剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


桂麻剤について | 薬剤師をやめたい薬剤師の日記 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

小青竜湯の解説

麻黄 桂枝 甘草 芍薬 半夏 乾姜 細辛 五味子 麻黄湯をより水滞の多い寒証向きにつくりかえた処方であり、温性を高めるために生姜ではなく乾姜が加えられています。乾姜・細辛は温性が強い生薬でもあるので、 …

桂麻各半湯の解説

桂枝 甘草 麻黄 杏仁 芍薬 大棗 生姜 この処方は 麻黄湯と桂枝湯を合方したものです。各半湯と名がついていますが、実際には半分ずつ合方したものではなく1/3ずつ合わせたものです。 麻黄と桂枝の相乗作 …

柴胡剤の解説・まとめ

柴胡剤は柴胡と黄芩を主構成生薬とする処方群で、邪がさらに体の深部に移行し、半表半裏に熱がこもった病態で、往来寒熱、胸脇苦満、食欲不振、悪心、嘔吐、口が苦い、舌の白苔などの特徴的な症候がみられるようにな …

乙字湯の解説

大黄 甘草 柴胡 黄芩 当帰 升麻 柴胡と黄芩は大黄と同様に清熱作用が強く、下腹部の炎症を緩和していきます。升麻は内臓のゆるみ(下垂)を引き上げる作用があり、痔核や脱肛を治します。また、柴胡は当帰と組 …

麻杏薏甘湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 薏苡仁 麻黄湯の桂枝の代わりに薏苡仁が入った処方です。薏苡仁は単独でもエキス剤が治療に用いられているため、医療人であれば一度は聞いたことのあるくらい有名な生薬ですね。薏苡仁・麻黄の組 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー