桂麻剤 漢方薬解説

桂枝加芍薬大黄湯の解説

投稿日:2019年9月24日 更新日:

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 大黄 

桂枝加芍薬湯に緩下作用のある大黄を加えた薬方になります。

寒性薬である大黄を主体とした寒性の大黄剤と異なり、基本的には温性の桂枝湯をベースとしている薬方であるため、顔色のあまりよくない体質虚弱者(寒虚証者)で、腹部膨満感や腹痛のある便秘に用いられます。

大黄は腸内の老廃物を排泄する瀉下作用に加えて、消化管の炎症や腸内細菌の異常繁殖を抑える消炎作用も持っていますので、これらの作用により消化管の機能を正常化していきます。

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