桂麻剤 漢方薬解説

小建中湯の解説

投稿日:2019年9月26日 更新日:

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 膠飴

小建中湯の「中」という文字は中焦(消化器)のことを指していて、弱った消機能を調えるという意味があります。

桂枝加芍薬湯に膠飴(麦芽飴)を配剤した薬方で、顔色の良くない虚弱体質者の腹痛を治す桂枝加芍薬湯よりも、さらに虚証が強い人に適応します。

膠飴は気の補給(栄養補給)ならびに冷えなどによる腹痛や虚脱状態の急迫状態の緩解を目的として加味されています。

しかし、栄養補給を目的とした滋養強壮面での膠飴の配合意義は、現代人の栄養状態から考えるとやや薄れていると考えられます。その理由は、昔にくらべて飢餓者が少なくなっているためです。

前の記事へ







-桂麻剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

薏苡仁湯の解説

麻黄 桂枝 甘草 薏苡仁 当帰 芍薬 蒼朮 麻黄湯に蒼朮を加えた麻黄加朮湯(体が痛み、尿は少なく、浮腫のある人を目標として使われる)から杏仁を除き、当帰・芍薬・薏苡仁を加えた処方です。 辛温発表剤であ …

桂麻剤の解説・まとめ

桂麻剤とは 桂麻剤は、桂枝湯を基本に桂枝(桂皮)と麻黄を配合する薬方群の事で、なかでも麻黄を配合する薬方群については麻黄剤と呼ばれています。風邪症候群や急性熱性疾患の初期の症状(太陽病の病態)である悪 …

小柴胡湯の解説 

柴胡 黄芩 半夏 生姜 人参 大棗 甘草 柴胡・黄芩からなる柴胡剤の基本的な薬方で、主薬の柴胡は黄芩とともにみぞおちから脇腹にかけての肋骨弓下部に抵抗や圧痛が認められる胸脇苦満(胸脇部における一種の炎 …

潤腸湯の解説

大黄 枳実 厚朴 麻子仁 杏仁 桃仁 当帰 地黄 黄芩 甘草 この処方は「腸を潤す」という名の通り、体液の枯燥により、腸内に熱をもち、腸が乾いて潤いを失うことに起因した便秘に適応します。一般的には緩和 …

麻杏薏甘湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 薏苡仁 麻黄湯の桂枝の代わりに薏苡仁が入った処方です。薏苡仁は単独でもエキス剤が治療に用いられているため、医療人であれば一度は聞いたことのあるくらい有名な生薬ですね。薏苡仁・麻黄の組 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー