大黄剤 漢方薬解説

茵陳蒿湯の解説

投稿日:2020年2月22日 更新日:

大黄 茵陳蒿 山梔子

名前の通り茵陳蒿を主役としている処方で、利胆(退黄)や湿熱を去る作用があり、脾の湿熱である黄疸の重要な治療薬になります。さらに山梔子にも利胆作用があり、大黄の駆瘀血、消炎、湿熱を治す作用も加わることで、茵陳蒿湯は黄疸の聖薬と呼ばれています。

しかし、黄疸がなくても、吐き気、食欲不振、皮膚の痒み、頭部の発汗、口内炎、歯痛、目の痛みなどにも用いていくことができます。

茵陳蒿湯に含まれる生薬は、いずれも燥性、寒性、降性であることから、口渇があり尿量が少なく色が濃く、便秘をするなどの湿証で熱証のある升症向きの処方となっており、顔色が悪く手足の冷たい寒証の人には用いません。







-大黄剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

葛根湯の解説

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 葛根 麻黄 桂枝湯に葛根と麻黄を加えた薬方で、今では知らない人がほとんどいないほどに有名な漢方薬です。 桂枝(弱い発汗作用がある)に強い発汗作用のある麻黄が加わることで、 …

五虎湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 石膏 桑白皮 この処方は麻杏甘石湯に桑白皮を加えたものです。桑白皮は利水消種の効能により気管支粘膜の浮腫を除き、気道の通過をよくする働きがあるため、麻杏甘石湯よりも気管支喘息に対する …

柴胡剤の解説・まとめ

柴胡剤は柴胡と黄芩を主構成生薬とする処方群で、邪がさらに体の深部に移行し、半表半裏に熱がこもった病態で、往来寒熱、胸脇苦満、食欲不振、悪心、嘔吐、口が苦い、舌の白苔などの特徴的な症候がみられるようにな …

桂枝加芍薬湯の解説

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜  この処方は桂枝湯の芍薬を倍量にした「建中湯類」の基本となる薬方で、芍薬による内臓平滑筋の緊張緩和や鎮痛作用と、桂枝と生姜による健胃作用が主な薬効となります。芍薬の筋弛緩 …

五積散の解説

桂枝 乾姜 生姜 麻黄 白芷 当帰 川芎 白芍 大棗 甘草 蒼朮 茯苓 半夏 陳皮 厚朴 枳実 桔梗 五積とは5つの病毒(気・血・痰・寒・食)の鬱積を意味しており、五積散とはそれらの状態を治すための処 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー