柴胡剤 漢方薬解説

柴胡桂枝乾姜湯の解説

投稿日:

柴胡 黄芩 乾姜 甘草 桂枝  牡蛎  括楼根 

柴胡・黄芩からなる柴胡剤の一種で、牡蛎が含まれているのが特徴です。

柴胡加竜骨牡蠣湯を使いたい人で、少し虚証に傾いているような場合に用いていきます。括楼根は潤性が強いので口渇、乾咳、盗汗に効果が期待できます。牡蛎は鎮静、止汗を目標とします。桂枝は頭痛や微熱などに効果があります。

したがって、こじれた風邪や神経性心悸亢進症、不眠などに用いられます。

体質として手足が冷える傾向にはありますが、ひどく冷えることはなく、しばしば臍上悸が認められます。慢性化した風邪で体力が低下し、口渇、首から上の発汗や動悸、不眠などの神経過敏のある人に適応します。

柴胡桂枝湯と名前が非常によく似ていますが、構成生薬はかなり異なります。そのうえこの2つは医療用漢方の番号もよく似ているため、処方せん調剤を行うときには取り間違えによく注意しておいたほうがいいと思います。(柴胡桂枝湯は10番、柴胡桂枝乾姜湯は11番)

前の記事へ







-柴胡剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

大承気湯の解説

大黄 芒硝 枳実 厚朴 この処方は調胃承気湯の甘草の代わりに理気薬である枳実と厚朴を加えたものとなります。甘草が配剤されていないため、大黄の瀉下作用が強く作用します。 枳実と厚朴は気滞により食物が消化 …

麻黄湯の解説

桂枝 甘草 麻黄 杏仁 辛温発表剤(温めて表証を治す)の代表的な処方で、麻黄の鎮咳作用と杏仁の鎮咳去痰作用が合わさり、咳嗽や喘鳴のあるものに奏効し、呼吸困難を改善する作用があります。 麻黄・杏仁・桂枝 …

乙字湯の解説

大黄 甘草 柴胡 黄芩 当帰 升麻 柴胡と黄芩は大黄と同様に清熱作用が強く、下腹部の炎症を緩和していきます。升麻は内臓のゆるみ(下垂)を引き上げる作用があり、痔核や脱肛を治します。また、柴胡は当帰と組 …

小建中湯の解説

桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜 膠飴 小建中湯の「中」という文字は中焦(消化器)のことを指していて、弱った消機能を調えるという意味があります。 桂枝加芍薬湯に膠飴(麦芽飴)を配剤した薬方で、顔色の良くな …

麻杏薏甘湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 薏苡仁 麻黄湯の桂枝の代わりに薏苡仁が入った処方です。薏苡仁は単独でもエキス剤が治療に用いられているため、医療人であれば一度は聞いたことのあるくらい有名な生薬ですね。薏苡仁・麻黄の組 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー