柴胡剤 漢方薬解説

柴胡加竜骨牡蠣湯の解説

投稿日:2019年9月30日 更新日:

柴胡 黄芩 半夏 生姜 大棗  桂枝 茯苓 竜骨 牡蛎

この薬方は小柴胡湯の甘草の代わりに、桂枝、茯苓、竜骨、牡蛎を加えた柴胡剤です。

竜骨と牡蛎は鎮静効果が強く、動悸、不眠、イライラ、のぼせなどの精神神経症状を緩解していきます。

桂枝はのぼせを下げ、茯苓は利水作用と補脾作用により安神(精神安定)に働いくため、小柴胡湯の適応で精神神経症状をともなう人に用いられます。

一般的に舌には白苔がみられ、脈力や腹力は充実していて、胸脇苦満や臍上悸を伴うような高血圧症、動脈硬化症、心悸亢進症、不眠症に対して効果的であることが多いです。

胸脇苦満や臍上悸は一つの判断指標とはなりますが、それが明確でない場合でも広く用いることができます。また、自律神経失調症や円形脱毛症、インポテンツにも効果が認められることがあります。

前の記事へ







-柴胡剤, 漢方薬解説
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

五虎湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 石膏 桑白皮 この処方は麻杏甘石湯に桑白皮を加えたものです。桑白皮は利水消種の効能により気管支粘膜の浮腫を除き、気道の通過をよくする働きがあるため、麻杏甘石湯よりも気管支喘息に対する …

茵陳蒿湯の解説

大黄 茵陳蒿 山梔子 名前の通り茵陳蒿を主役としている処方で、利胆(退黄)や湿熱を去る作用があり、脾の湿熱である黄疸の重要な治療薬になります。さらに山梔子にも利胆作用があり、大黄の駆瘀血、消炎、湿熱を …

漢方薬の解説(種類別まとめ)

このページについて 私が今までに講演会のために作ってきた漢方薬に関する資料をここに記載していこうと思います。かなり簡単にまとめた初心者レベルではありますが、これから漢方薬について勉強する方達の参考にな …

十味敗毒湯の解説

柴胡 茯苓 甘草 生姜 桔梗 荊芥 防風 独活 川芎 撲樕(桜皮) 万病回春に記載されている荊防敗毒散をベースとして、前胡、薄荷、連翹、枳実、金銀花を除いて桜皮を加えたものが華岡青洲の使用していた十味 …

麻杏甘石湯の解説

麻黄 杏仁 甘草 石膏 この処方は麻黄湯の桂枝の代わりに石膏が入ったもので、麻黄湯と同じく麻黄と杏仁が合わさっており、咳嗽や喘鳴があるものに奏効します。 しかしながら、麻黄・石膏の組み合わせは麻黄・桂 …

新着投稿

アーカイブ

カテゴリー