大黄剤 漢方薬解説

大承気湯の解説

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大黄 芒硝 枳実 厚朴

この処方は調胃承気湯の甘草の代わりに理気薬である枳実と厚朴を加えたものとなります。甘草が配剤されていないため、大黄の瀉下作用が強く作用します。

枳実と厚朴は気滞により食物が消化されずに停滞して起こる腹部膨満を改善させる働きがあり、大黄の瀉下・清熱作用を強化して、便秘や下痢などですっきりしないなどの脾胃気滞を改善します。したがって、膨満感や腹壁の緊張が強い便秘に適した処方となります。

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